日本人の平均読書量は、月に約1冊程度らしいです。
仮に、「月に10冊本を読む」割合を考えたとき、一体どのくらいの割合の人が位置するのかというと、日本人の上位2%に位置するんだとか。
10冊読むだけで、上位2%というのはかなり驚きです。
逆に言えば、多くの人が読書が身近にないというのが現状のようです。
私が最近読み終えた、樺沢紫苑氏の著書 『読書脳』 という書籍があります。
読書を気合ではなく「脳科学的なエビデンス」に基づいたシステムとして捉え、1日を72時間に引き上げるほどの時間効率を叩き出すメソッドを提示しています。
この書籍を読んで学びとなった、読書がもたらす効果と、それを最大限に引き出すための方法論を「事象」と「根拠」に分けて整理してみます。
1:読書は「ストレスを物理的に消去」し、脳のスペックを向上させる
【事象】
読書をすると、不安やストレスが軽減され、決断力や情報処理能力が高まる。
人間の不安や恐怖は、脳内の「扁桃体(へんとうたい)」が興奮することによって引き起こされます(うつ病は、この扁桃体の興奮スイッチが持続的にオンになっている状態)。
ここに読書によって「言語情報」がインプットされると、扁桃体の興奮が抑えられます。
扁桃体の活動が抑制されると、ネガティブな感情が鎮まり、脳のメモリが解放され、結果として気分の改善やクリアな決断が可能になるのです。
また、読書を通じて「言語能力(言語を処理し、理解する能力)」が鍛えられると、より効率的に情報や知識のインプットができます。
記憶力、思考力、集中力、共感力が高まることは様々な研究機関で実証されており、読書は脳のスペックを物理的に底上げする行為と言えるようです。
2:「自己成長」を目的とすると、読書は必ず挫折する
【事象】
読書の目的を「自己成長」に設定すると、習慣化に苦労する。
読書の最終目的は「行動が変わり、自己成長すること」であると筆者は言います。
しかし、それを「スタート時点の目的」に設定するのは脳科学的にナンセンスなようです。
理由は明確で、自己成長という結果が出るまでには時間がかかるため、その過程で脳内に報酬である「ドーパミン」が分泌されないからです。
ドーパミンが出ない行動は「やらされ感(苦痛)」を生み、手段が目的化して継続が困難になります。
もともと継続が苦手な私たちが、習慣の途絶を回避するための最もロジカルな解決策は、「ただ楽しみながら読む」状態を作ることです。
「楽しい」と感じることでドーパミンが分泌され、結果として最も効率よく自己成長という最終目標に到達できます。
3:記憶に定着させるには「週3回のアウトプット」
【事象】 インプットした情報を記憶に定着させるには、特定の条件を満たす行動が必要になる。
脳が「重要な情報」として記憶に保存する基準は、以下の2つしかないと筆者は言います。
- 何度も利用する情報
- 心が動いた出来事
これを満たす最適解が「1週間に3回アウトプットすること」です。
さらに、アウトプットの方法も科学的な裏付けに基づいて選択する必要があります。
- マーカーを引き、メモをとる
「文字を読む作業(視覚)」と「手にペンを持って線を引く作業(運動)」は、脳の全く異なる領域で行われています。手帳などの物理ノートを併用し、読む・考える・書く・話すという複数の部位を稼働させることで、脳への定着率が飛躍的に高まります。 - 制限時間を設けて「脳内物質」を分泌させる
「今日1日でこの本を読む」とGoogleカレンダー等でスケジュールを切り、制限時間を設けます。すると脳に緊迫感が生まれ、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフィンといった記憶に関係する脳内物質が分泌され、記憶への書き込みが強化されます。
4:脳の特性を知り、脳の特性を利用する
【事象】 読書の直後にレビューを書いてはいけない。
読んだ直後の脳はエキサイトしており、「面白かった」「感動した」という『感情言語』しか出力できません。他者の役に立つ(=価値のある)文章を書くためには、客観性と論理性が必要です。
一晩寝ることで、脳はクールで論理的な状態を取り戻します。
したがって、書評やレビューを書くのは「翌日以降」が効果的と書籍では述べられています。
また、睡眠を活用する「追走法」も有効です。
寝る前にインプットの資料や懸案事項の書類に目を通しておくと、睡眠中に脳内で情報が整理され、朝起きた時に意外な着想(ひらめき)を得ることができます。
結論:「読んだ」の定義とは何か?
最後に、「本を読んだ」といえる状態について整理します。
本書を通しての定義は
「内容を説明できること」+「内容について議論できること」
アウトプット(出力)できない知識は、自分の行動に一切の影響を及ぼさず、現実の変化をもたらしません。
読書は自己投資の最強のツールです。
しかし、読んで何も行動を変えないのは非常にもったいない行為である。
この点が、『読書脳』を通して一番刺激となった学びでした。
科学的なロジックに従って読書とアウトプットのサイクルを回し続けることの重要性が
本記事を通して気づきとなれば幸いです。
【図解】

<参考書籍>
『読書脳』 樺沢紫苑:著
